前肢の骨1
更新があいてしまいました。
前々回の「椎間円板・助軟骨4」の続きでいうと、組み立てた胸椎に助骨と助軟骨、胸骨をつけて、身体の前半分の骨格がひとまず完成。それから前肢の制作に移るため、まず肩甲骨に着手。長い間謎だった「解剖図と骨格標本で肩甲骨の形が違う」問題がなぜかわかったので書いておく。
馬やほかの反芻動物の解剖図では肩甲骨の上部は半円型なのに対して、骨格標本でみる肩甲骨は半円形部分がなく角が鋭い三角形で、なんで形が違うんだろうと思っていたんだけど、
私が肩甲骨の一部だと思っていた肩甲骨上側の半円形部分は、「肩甲軟骨」という名前の軟骨で、軟骨だから解剖図には記載されてるけど標本にする過程で溶けてなくなるので骨格標本では無かった、というわけだった。この肩甲軟骨を持っているのは反芻動物のみで、だから「保存と再現」の犬を作ったときには気づかなかったんだな〜。
これで筋肉との接続面積を増やしたり、より早く走れるように前肢を長くしたりしているらしい。(このサイトから知りました『とある獣医の豪州生活』http://ameblo.jp/happyguppyaki/entry-11161151897.html)
チクサン出版社『馬の解剖アトラス』には、「ウマの肩甲骨はその背縁をより拡大させる半月状の大きな肩甲軟骨を備える特徴がある」と書かれていた。
Klaus‐Dieter Budras・Sabine Röck・橋本 善春 (2001)『馬の解剖アトラス』チクサン出版社 p2
なので、肩甲軟骨部分は軟骨らしい硬さの素材で作り直して、それから上腕骨から先の前肢を制作する。画像は軟骨部分も一体に作っていた原形を、肩甲軟骨と肩甲骨で切り離したところ。
更新が長らく空いてしまったのは、この頃仕事を変えたり引越しをしたりと制作以外のところでとてもばたばたしていたからで、最近はようやく落ち着いて制作に向かえるようになってきた。前の仕事よりも制作時間を長く取れるように変えたので、その分丁寧に時間をかけて進めていきたい。とかいってもうこの時点で6月なんだけど!
新しい仕事の関係で陶芸を始めたんだけど、かなり楽しくて面白くて嵌っている。工芸の生活と直結している感じはすごく好き。菊練、手捻り、電動ろくろはもちろん、電気釜の扱いや使用済み粘土の再生までやるからそれも面白い。
なんだか今年は自分で決めて自分で動かしていくことが多い気がする。
favorite
ブレードランナー
デッカードが見るユニコーンの夢のシーン(リドリー・スコットの音声解説付き)が好きで繰り返し見てた。一番好きなシーンは蛇の鱗の製造番号を見るところ!