平野 真美 Mami Hirano

画像: 平野 真美 Mami Hirano
  1. 1989 1989年岐阜県出身。
  2. 2012 名古屋造形大学 造形学部 造形学科 情報デザインコース卒業
  3. 2014 東京藝術大学大学院 美術研究科修士課程 先端藝術表現専攻修了

主なグループ展

  1. 2014 東京藝術大学卒業 / 修了作品展(東京藝術大学大学美術館 / 上野)
  2. 2014 トーキョーワンダーウォール公募2014 入選作品展(東京都現代美術館)
  3. 2014 黄金町バザール2014(黄金町サテライトスタジオ / 横浜)
  4. 2014 若手作家刺激プログラム motion#2 (名古屋市民ギャラリー矢田)
  5. 2015 REN-CON ART PROJECT -連茎する現代アート-
    (名古屋市芸術創造センター)
  6. 2014 清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017 (岐阜県美術館)
      

主な個展

  1. 2014 平野真美個展「蘇生するユニコーン」(ギャラリーマルヒ / 根津)
実在/非実在生物の生体構築、生命の保存、または蘇生に関する作品制作を行う。対象の生物の骨や内臓、筋肉や皮膚など生物を構成するあらゆる要素を忠実に制作することで、その生物の生命を保存し延命をはかる。
実在生物の生体構築として、死を余儀なくされた生物を構成する骨や内臓、筋肉や皮膚などをサイズや構造に忠実に制作していくことで、対象の生物の生命を現世に保存する。また、制作した肺に人工呼吸器を繋ぎ呼吸をさせることで、その生物を延命する。
非実在生物の生体構築として、その生物を構成する要素全てを制作することで、寓話に登場する非実在生物の実在を目指す。現在存在が信じられていない生物は、「存在しない」と判明した瞬間人々の脳内で死を迎えた。その生物を制作により実在させ、また肺に人工呼吸器を繋ぎ呼吸をさせることで、生物の蘇生とともに、失われた自らの幻想をも蘇生する。
また、電子世界に生命を保存するための装置や、社会全体を一つの生命と捉え、その生命を存続させるための心臓を制作した作品など、考え出したシステムを機能させる装置としての作品を制作する。
連絡先 hirano.mami@gmail.com

You won’t die in electron

2012 塩化ビニール、配管パイプ、ファンモーター等 1000×1500×1500(mm)

画像: 平野真美 作品 You won't die in electron

電子世界で生きる私との出会い
人間の頭蓋骨をかたちづくり、その周囲に無数のLEDをマッピングする。頭蓋骨の内部にはビデオカメラが設置されており、鑑賞者が近付くとその姿が頭蓋骨表面のLEDに映し出される

この作品において、LEDを纏った頭蓋骨は死の象徴であるとともに、電子世界の表象としても存在している。鑑賞者は頭蓋骨に映し出された自らの姿と対面し、電子世界に存在する自分自身と対峙する。頭蓋骨に映し出された鑑賞者自身の姿は映像として記録され、データのなかに鑑賞者の生きる姿が残り、そのデータを保存することによって鑑賞者は電子世界で生き続けることになる。

電子メディアは今日、私たちの生の在り方を至るところで変容させている。例えば、携帯電話に残された声、監視カメラに撮影された買い物姿、何気ない生活の様子をつぶやいた一言など、もうあなたがこの世にいないとしても、データを保存することによって、データのなかにあなたの生は残り、それは電子世界のなかで生き続けることになる。
そしてそのデータの拡がりは、私たちの手に届かない範囲まで到達している。

この作品によって鑑賞者は、電子世界で永遠に生き続ける、自身から分裂した生命の存在と対峙する。ネットワークが無限に拡がる監視・管理社会で生きる私たちは、この生命を完全に終わらせることができるだろうか?
電子世界のなかで生き続けるデータの生命の存在は、絶望だろうか、希望だろうか。無数のLED
の光は、あなたと電子世界に分裂された生命が出会えたことを、祝福している。

だれも知らない生き物

2013 LED, Webカメラ他 210×200×200(mm)

画像: 平野真美 作品 だれも知らない生き物

街に溢れる日用雑貨や工業製品によって形成された、大きな心臓。
心臓内部には大きなファンがついており、周囲の空気を心臓内に取り込むことで膨らみ、その空気を吐き出すことでしぼむ。この心臓は空気を血液の代わりにし、その拍動によって周囲の空気を循環させている。

この心臓には持ち主がいる。
心臓がここにあるということは、心臓が設置された空間は心臓の持ち主である大きな生き物の身体のなかだということになる。そして、大きな生き物の体内にいる私たちは、大きな生き物の身体を構成する一部である。
私たちは大きな生き物の赤血球かもしれないし、脳細胞かもしれない。生き物の身体のなかというこの世界で、この生き物を生かし続けるための、それぞれの役割を担って生きている。

心臓は街に流れる空気を血液の代わりとし、拍動を続ける。周囲の空気を循環させ、この社会を一つの生命体にする。

私たちはこの心臓の拍動によって動かされ、心臓の持ち主であるこの世界を循環している。
そして私たちは、生き物の一部である自分が生き続けるために、この生き物を生かし続けなければならない。この生き物が死なないように、誰かと離れてしまわないように。